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気分障害の人でも働ける?気分障害の特徴と仕事を続けるコツを解説

気分障害とは、いくつかの精神的疾患をまとめた総称を指します。理由もなく気持ちが落ち込んだり、逆に気分が高揚する「躁状態」が続いたりすると気分障害が疑われます。症状が進むと仕事のモチベーションが維持できなかったり、躁状態をうつ状態を繰り返して疲弊してしまったりなど、仕事や日常生活を続ける上で多くの悩みを抱えてしまいやすくなることも。

この記事では気分障害の症状や悩み、仕事を続ける上でのコツを解説します。

気分障害とは

気分の浮き沈みが長期間続くことによって、仕事や日常生活に支障をきたす精神疾患の総称を「気分障害」と呼びます。症状が深刻化すると睡眠障害や食欲減退による減量を引き起こしやすくなったり、逆に気分が高揚して突然饒舌になったりイライラしやすくなったりします。

現在では「うつ病」「双極性障害」「持続性気分障害」の3つに分けられます。

うつ病とは

特に理由がなくても憂鬱な状態である「抑うつ状態」が2週間以上持続した場合は「うつ病」と診断されます。自分のこれまで興味があった物事に関心がなくなったり、「楽しい」「嬉しい」といった幸せな感情を失いやすくなったりするのが特徴です。何もできないことに対して罪悪感を持ち、自信を失い自己否定に陥りやすくなることも。

真面目な人や、悩みや問題を周囲に相談せず自分で解決しようとする性格の人が、うつ病になりやすいともいわれています。

双極性障害とは

うつ病の特徴である「抑うつ状態」と、気分が高揚してハイになる「躁状態」を繰り返す精神疾患のことを「双極性障害」と呼びます。突然怒りっぽくなったり饒舌になるなど、自分が偉くなったような錯覚を起こしやすくなります。躁状態では徹夜で仕事をすることも苦ではなくなる傾向があるため、睡眠不足になり健康に悪影響を及ぼすことも。

持続性気分障害とは

上述した「うつ病」や「双極性障害」より症状は軽いものの、気分の浮き沈みが見られることを「持続性気分障害」といいます。持続性気分障害には「気分変調症」と「気分循環症」の2種類があり、軽度の抑うつ状態が2年以上ある場合には「気分変調症」、軽度の抑うつ状態と軽度の躁状態が2年以上続く場合は「気分循環症」と診断されます。

気分障害の人が仕事をする上で抱える悩みとは

気分障害を抱える人は大きな理由もなく気持ちの波が上下するため、体調のコントロールが非常に難しく、深刻な場合は日常生活を送ることが困難になることもあります。気分障害を抱える人は、仕事をする上でどのような悩みを抱えているのでしょうか。

①パフォーマンスにムラがある

双極性障害を抱える人に多い傾向がありますが、抑うつ状態と躁状態で仕事のパフォーマンスにムラができやすくなります。躁状態ではエネルギーが無限に続くような錯覚を起こしますので、徹夜で仕事をすることを苦痛に感じなくなります。その後抑うつ状態になると、仕事の内容が頭に入らなかったり業務のスピードが落ちたりします。

②疲れやすい

抑うつ状態では行動する意欲が減退するため、モチベーションが上がらず苦痛を感じる中で仕事を進めなければなりません。うつ病の方は通常よりも疲れやすいことを指す「易疲労性(いひろうせい)」の症状があることから、健常者の方よりも疲労感が数倍に感じられるのです。

気分障害の人が仕事を続けるために

気分障害の方は予期せぬタイミングで不調の波がやってくることが多いため、自分自身で体調を把握したり周囲のサポートを受けたりすることが大切です。少しでも安心して仕事を続けるために、いくつかのコツを紹介します。

①医師の指示にきちんと従うこと

「調子が良さそうだから薬をやめてみよう!」と思って勝手に薬の服用をやめてしまったり、定期的な診察に行かなかったりすると症状が悪化してしまう可能性が高まります。自分自身で判断せず、医師の指示をきちんと守りましょう。

②焦らずに少しずつ克服する

早く元の生活に戻りたいと思うあまり、体調が悪くても無理をしてしまう人も少なくありません。気分障害は休めばすぐに完治するというものではなく、不調の波に徐々に慣れていったり波を小さくしていったりする必要があります。「どうして感情が安定しないのか」と考えるのではなく、「もし調子が悪くなったらどうやって緩和していこうか」と考え、焦らずに少しずつ前に進むことが大切なのです。

③きちんと休む

一定のパフォーマンスを維持するためには、きちんと休むことが大切です。休日は自分の好きなことをしてリフレッシュし、たまには有給休暇を取得して公休日以外の休日も作りましょう。勤務時間中でもこまめに休憩をはさむことで、疲労を溜めずに仕事を進められます。

④職場の人に障害について理解してもらう

安心して仕事を続けるには、周囲の理解が必要不可欠です。何も説明がないままだと「サボっている、怠けている」と誤解されてしまいやすく、さらなる精神的負担が増えてしまいます。まずは自分の症状や障害について職場の人に理解してもらい、時にはサポートをお願いするようにしましょう。

仕事に関する相談は就労移行支援を活用しよう

全国の市区町村にある就労移行支援事業所では、さまざまな障害を抱える人の就労移行サポートをしています。症状についての理解があるため、ヒアリングを通して向いている仕事を一緒に探すほか、スキルや資格取得のためのサポートも充実しています。仕事探しで悩んでいる方は、お気軽に就労移行支援事業所を訪ねてみてください。

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