高齢者向けのサービスのなかには「家政婦(夫)」や「訪問介護」、「訪問看護」などがあります。これらの違いをきちんと理解していないと、どれを選んだら良いのか迷ってしまうかもしれません。
実はこの3つのサービスは似ているように感じられるかもしれませんが、受けられるサービスの内容に明確な違いがあります。それぞれの内容やメリットを理解しておくことは大切です。何故なら、理解しておくことで思い違いを防ぐことができるため、必要なサービスをスムーズに開始させることに繋がるからです。
また、これから家政婦(夫)として働くことを検討している人も、これらのサービスの違いを理解しておくことで、自分が可能な作業範囲を明確にすることができます。
1.サービス内容の違い
①家政婦(夫)
「家政婦(夫)」は家事代行が主なサービスの内容となっています。料理や掃除、買い物、洗濯など日常的な家事を支援するサービスが殆どです。場合によっては高齢者の付き添いや、介助が求められることもあります。基本的には、介護保険などで行えない範囲のことを依頼される傾向にあるようです。
1~3時間など短い時間から依頼可能で、その内容は依頼者のニーズに合わせてくれます。医療保険や介護保険などは必要なく、自費でサービスの利用が可能です。企業によってはお得なキャンペーンや、初回無料などのサービスも行っているため、初めてでも気軽に試してみやすいかもしれません。
②訪問介護
「訪問介護」では、入浴や食事などを手伝う身体的な介護や、家事を行う生活援助、通院や通所などに伴う乗車降車の介助などのサービスを受けることができます。家族の介護の負担を減らすことはもちろん、高齢者が慣れ親しんだ自宅で安心しながら介護サービスを受けられるというメリットがあります。多くの場合は介護保険を使用してサービスを受けます。
依頼主の必要に合わせて、ケアマネジャーなどと相談しながらサービス内容を決めることが可能です。訪問介護では医療的な処置を受けること、生活に支障が出ない家事(草むしり、ペットの世話など)をして貰うことはできません。
③訪問看護
「訪問看護」とは、医師の指示に基づいた内容のリハビリテーションや医療処置が、専門のスタッフによって居宅で行われることです。専門のスタッフとして、看護師や理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが在籍しています。サービスの対象となるのは寝たきりの状態や車椅子で通院が難しい人などが中心です。
サービス内容の一番の特徴としては、医療的な処置が行われるということです。ですから、食事の用意や掃除などの日常的なことは行いません。医師やケアマネジャーと連携したチーム医療としてのサービスが受けられます。
医療保険も使用可能ですが、基本的には介護保険を用いてサービスを受けます。自費の場合は高額になってしまうため介護保険を取得することが推奨されています。そのため、取得していない場合は、取得できるまでに時間がかかってしまうことがあるのがデメリットです。
2.家政婦サービスを利用するメリットとは?
3つのサービスをそれぞれ紹介しましたが、そのなかでも家政婦(夫)ならではのメリットを紹介します。是非、サービスを検討する際の参考にしてみてください。
①サービスを早く開始することができる
家政婦(夫)は自費でサービスを利用することが可能なため、サービス開始時期が早いのが大きなメリットの一つです。介護保険を取得するための手間や時間がかかりません。急な必要が生じたせいで、サービスの利用を急いでいる場合には特にオススメです。
②サービス内容の幅が広い
家政婦(夫)は一般的家事や介助など、サービス内容が幅広いこともメリットです。高齢者でも必要な援助や介助は人によって様々です。そのため、どのレベルのサービスが必要なのかよくわからないという場合には、まずは家政婦に頼んでみるというのも良いのではないでしょうか?
③日常的な負担が減る
高齢に伴って筋力が落ちてしまったり、視力が低下してしまったりするせいで家事が負担に感じている方も多いのが現状です。遠くに住んでいる家族には頼りにくい…と考えている方も居ます。介護よりも家事の負担を減らしたい方にオススメです。サービスを利用することで、日々の生活のなかにゆとりを作るのはいかがでしょうか?
そうすることで、家族とのコミュニケーションの時間も増やしたり、新しいことにチャレンジするというような前向きな気持を持つこともできます。
3.まとめ
それぞれのサービス内容の違いを理解して、賢く利用するようにすると良いでしょう。家政婦(夫)は自費で行われるため、すでに訪問介護や訪問看護を受けているという人でも、サービスを受けることができます。まずはスタッフに相談してみてください。
一人で問題を抱え込まず、必要なサービスを上手く利用することで、豊かな生活を送ることができますように。