座位保持装置とは、先天的、後天的な障害や事故といった理由により自力で座ることが難しい方が、適切な姿勢を保ちながら座るための機能がついた椅子のことを言います。
特に発達段階にある子どもの場合、適切な姿勢で座るということは、身体の成長に良い影響を与えたり、学習や食事の可能性を大きく広げることになります。
座位保持装置は、厚生労働省の告知資料では『機能障害の状況により、座位に類した姿勢を保持する機能を有する装置を含むもの』と記載されています。
姿勢を保持するためのベルト枕等が付いている他にも、利用者に合わせた機能を付けることが出来たり、調節機能が備わっているものもあります。
寝たきりの状態を余技なくされている方にとって、座位保持装置により座るという動作を行うことが出来るだけで、視界や世界が大きく広がります。
座位保持装置には以下の4種類に分類されます。
- 普通型
見た目としては、一般的な椅子に一番近い形になります。
角度の調節機能はありませんが、座面の高さや奥行き等の寸法の調節を行うことができ、障害の程度に応じて各種のアタッチメントを装着することが出来ます。
- リクライニング式普通型
座面や背もたれがリクライニングする構造を持っており、脳性まひ等で姿勢の保持が難しい場合には、座面や背もたれ、足代を直角に固定した状態で傾斜されることも多くあります。
①の普通型と②のリクライニング式普通型は合わせてモデュール型と呼ぶこともあります。
- モールド型
モールド型とは、 使用者の座る面を採型して型を取り、その型にプラスチックをあてて成型したもので、バケットシートということもあります。
内側にクッションと布でカバーを付けて使用しますが、通気性が悪いことと、子どもの成長に合わせて調節することが難しいというデメリットもあります。
- 可変調節型
樹脂製のユニットをねじでマトリックス上に連結し、使用者の身体に密着する形に調節することが出来る座位保持装置です。
成長や障害の変化に対応することができますが、調節が少し難しくなります。
可変調節型の座位保持装置は角度を細かく調節することが出来たり、障害に対応したアタッチメントが装着することが出来ます。