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幼稚園教諭と保育士はどう違う?仕事内容や資格の違いからメリット・デメリットまで解説

子どもの成長を見守りながら、子ども達が楽しく安全に毎日を過ごすことが出来るように環境を整えたり活動を行ったり、身の回りのサポートを行っていく保育士。

とても人気の職種でもある保育士ですが、実際には子どもの人間形成の大切な時期である幼少期である成長過程の一旦を担うというとても責任のある仕事です。

今回は保育士の仕事についてスポットライトを当てて紹介します。

 

1、そもそも『保育士』とは?

そもそも、保育士とはどのような職種なのでしょうか?

単純にいうと、保育士とは「0歳から6歳までの保育園児の身の周りの世話や指導を行う」仕事です。

 

しかし、実際には単に子ども達を預かって日常の世話を行うだけでなく、行事の準備を行ったり、保護者の悩みについて相談に乗ったり、おたよりや記録関係などの書類仕事も多くあります。

年長クラスになると、小学校との連絡を取り合い、就学に向けて子どもの意識を高めていくなど、年齢に応じた目標を設定し子どもが心身共に成長していけるように保育をしていかなければならず、非常に責任が大きな仕事になります。

 

子どもを預かるといっても、ケガをしないように見守ったり、体調の変化に気を付けなければなりませんが、保育園ではこの他にも基本的生活習慣を身につけていくことも求められます。

基本的生活習慣というのは、食事や排泄、手洗いうがいといった衛生面、衣服の着脱といった、生活を行っていく上で必要となるスキルのことで、幼児期に身につけることが大切になります。

他にも、子どもの体調やケガがないかを常に見守りながら、様々な遊びをもとに体を動かしたり、はさみや絵画といった細かな活動もまんべんなく取り入れていき、総合的に発達や成長を促します。

 

このように、年齢に応じた静と動の活動を組み合わせていくことで、子どもの体の発達だけでなく脳の発達も促すことが重要です。

また、保育士は子どもが求めていることを理解し、気持ちを汲み共感をしつつ、社会生活を行う中で必要な能力を育むことも大きな役割になります。

つまり、保育士は仕事や育児、介護といった様々な理由がある保護者に変わり、保育園という場で子ども達に寄り添いながら預かるだけでなく、生きていく上で必要な生活習慣やコミュニケーション能力を遊びや様々な活動を通して社会性を育むためにサポートを行っていくという、子どもの成長を側で見守る大きな責任とやりがいがある仕事ということになります。

 

2、『保育士』になるためには?保育士になるには資格は必要?

保育士に憧れたり、将来の夢が保育士という方も多いですよね。

子どもの笑顔や成長を近くで感じることが出来、達成感ややりがいのある職種ですが、保育士になるには資格が必要になります。

保育士は『子どもの保育』と『保護者に対して保育の援助や指導』を行い、人間形成の最も大切な幼児期の指導を行ったり、子ども達と一緒に過ごす時間が長いために、常に保育のプロフェッショナルでなくてはなりません。

 

そのためにも、保育士に就くためには保育士免許が必須になるのです。

では、保育士になるためにはどのような方法があるのでしょうか?

先ほど紹介したように、保育士になるためには資格が必要になりますので、試験に合格するか、保育のカリキュラムがある大学や短期大学、専門学校を卒業する必要があります。

 

保育士になる方法としては以下になります。

①大学、短期大学、専門学校といった厚生労働大臣が指定している、保育士を要請する学校その他の施設で必要な科目を履修して、卒業をする方法

②保育士国家試験を受けて合格をする方法

 

上記の2通りの方法で保育士免許を得ることが出来ます。

 

保育士は幼稚園教諭と異なり、必ずしも大学や短期大学を卒業しなければならないということはなく、独学で勉強をして資格を得ることが出来ます。

保育士国家試験は、中学か高校を卒業し、かつ児童福祉施設で一定時間以上業務に従事して初めて受験資格を得ることが出来ます。

 

保育士国家試験は保育士を要請する学校等を卒業している場合には、自動的に資格を得ることが出来ますが、それ以外の場合には自分で受験し合格しなければなりません。

保育士国家試験は際立って難しいということはありませんが、やはり合格率としては20%程度ですので、何も勉強しなければ合格することは不可能でしょう。

現在は通信教育や参考書も多く発売されていますので、自分のライフスタイルに合った方法で合格を目指しましょう。

 

保育士はこのように、大学等を卒業するか、独学で学び保育士国家試験を受験し合格するかになりますが、実務経験がないまま幼稚園教諭の免許を取得する場合には、必ず大学や短期大学で専門的な知識が技能を習得しなければなりません。

 

それぞれの資格で取得方法が異なりますので、注意しましょう。

◆保育士免許の取得方法

 

3、保育士の役割とは

人間形成の重要な時期となる幼児期を一緒に過ごす保育士は、子ども達の人生に大きな影響を及ぼします。

大人の6年間と異なり、子どもの6年間は赤ちゃんだった頃や、様々な事へ好奇心を持つ時期や、他の人との関わりについて学んでいくなど、様々な事を吸収、経験しながら成長をしていきます。

その中で、保育士は月齢に応じて適切なサポートを行いながら、子ども達と触れ合いコミュニケーションの楽しさや大切さを伝えていったり、自主性や社会性を育んでいけるように支援や指導を行っていきます。

子どもに笑顔で常に優しい印象がある保育士ですが、時にはいけないことに関して厳しい態度で伝えていかなければならないこともあります。

では、保育士の役割とは何があるのでしょうか?

 

①子どもの社会性を育む

大人になる過程でも、大人になり社会に出る時にも必要となるのが『コミュニケーション能力=社会性』です。

社会性とは人と付き合っていくために必要となるスキルのことで、自分の気持ちを相手に伝えるだけでなく、他の人の意見に耳を傾けたり互いに理解し合えるように、思いや行動に移していく人との信頼関係を築くための基礎的な力です。

社会性は幼少期の4~5歳頃から獲得することが出来るようになり、集団生活を行う保育園や幼稚園では社会性を育む絶好の場になります。

友達におもちゃを取られたからどうすれば良いか、嫌なことがあった場合にどのように伝えれば良いかなど、子どもは日々集団での遊びの中で起こる葛藤の中で成長をしていきます。

遊びの中で『勝負事での感情』『達成感』『チャレンジしてみる力』『最期まで諦めない力』という様々な感情を学んでいきます。

これらの感情や力は、1人での生活で経験することが難しくなりますので、集団生活の中でたくさん経験することで、やがて子ども同士の関わりの中で相手を思いやる力を育むことが出来ます。

人は誰しも一人では生きていくことが出来ません。

勉強や運動面の成長を促すことも大切ですが、社会性はこれから子ども達が成長し生活を送る中でも最も重要な力といえるでしょう。

保育士は子ども達が遊びや保育園生活の中で、社会性を身につけられるように寄り添いつつも時には厳しく伝える等、多角的にサポートしていくことが求められます。

 

②知力や体力の向上をはかる

基本的に保育園は福祉施設になりますので、介護や仕事をしている保護者に変わり日中育児を行うための施設ですが、保育園もどんどん多様化しており、教育や運動に特化した保育園が増えています。

保育園ではひらがなや数字といった基本的な知力の向上から、遊びを通して運動機能の発達を促すように活動を取り入れていきます。

年齢に応じて子ども達が楽しみながら、知力や体力の向上を図ることも保育士の大きな役割の1つになります。

 

③親子の信頼関係を図ったり保護者の悩みの理解者になる

保育士は保育を行う中で、子どもだけでなく保護者との関係も非常に重要です。

保護者から寄せられる様々な悩みや相談に親身になって話を聞いたり、アドバイスを行っていくことで、親子関係の繋がりや絆を築けるようにサポートしていきます。

保護者支援は、保育士一人で行うだけでなく、主任保育士などのベテラン保育士も一緒に行い、保育園全体で取り組んでいかなければなりません。

保護者と保育士の信頼関係は、保育士という職務を行う中でとても大切になります。

信頼がない保育士に子どもを預けたいと思うことはないですよね。

保護者と信頼関係を築くためにも、子どもの成長を共に喜びあったり、保護者の悩みや想い、喜びといった気持ちに常に寄り添っていくことが大切です。

 

④基本的生活習慣の指導を行う

基本的生活習慣とは、食事、睡眠、排泄、手洗いうがい、衣服の着脱といった、日常生活を送る上で必要となる動作のことを指します。

保育士は、子ども達に対して基本的生活生活習慣が身につけられるように、繰り返し指導を行ったり、方法を伝えていくことが求められます。

基本的生活習慣は、家庭で教えることがメインになりますが、仕事を行っている家庭の場合だと全てを伝えていくことは難しくなりますので、保育士が保護者と連携を図りながら子ども達の成長を助けていきます。

基本的生活習慣を身につけることで、自分のことは自分で行うという自主性も同時に育むことも出来ますので、保育士は子ども一人一人の発達に合わせて基本的生活習慣の大切さを伝えていきましょう。

子どもは一人一人発達スピードが異なりますので、それぞれに対応した方法を選択したり、環境やアプローチの方法を工夫しながら伝えていくことが大切です。

 

⑤子どもの体調の変化に早く気が付く

保育園に登園するときには元気であっても、子どもは急に体調を崩してしまうことがあります。

保育士は保護者の次に、子どもと多く接することになり、非常に子どもの生活の近くにいる存在になりますので、子どもの様子から体調の変化に気が付けるように意識を持っておくことが大切です。

 

子どもの体調の変化に早く気が付くことで、大きな病気のリスクを下げたり、重症化する前に診察を受けることが出来れば軽症で済む可能性があります。

子どもの声の調子や、機嫌、顔色や食欲などを日ごろから把握しておくと、自分の体調について言葉で伝えることが難しい乳児であっても、変化に気が付くことが出来ることがあります。

また、緊急事態に備えて保育園全体で救命措置方法についての講習を受けたり、マニュアルを作成しておくことも大切です。

 

保育園内で子どもが倒れてしまったり、事故や怪我に合う可能性は十分考えられます。

 

そういった時に、落ち着いて臨機応変に対応できるスキルを身につけておくことも保育士の重要な役割となります。

 

上記のように、代表的な役割を紹介しましたが、保育士はいわば保護者の代わりとなって子ども達の成長を手助けする第2の保護者といっても過言ではありません。

 

日中の大部分を保育園で生活する子ども達にとっては、保育士は自分のことを理解し共感してくれる相手だけであり、生活を送るために必要な能力を伝えてくれたり、社会性や自主性を育むために総合的なサポートを行う存在でなければなりならないということを心に留めておきましょう。

4、保育士になるために必要な資質は?

保育士は子どもが好きでいることは大前提ですが、子どもが好きなだけでは務まらない仕事でもあります。

仕事量の多さもさることながら、人間形成の重要な時期でもある乳幼児期の保育を任されますので、大きな責任があります。

では、保育士になるために必要となる資質とは何でしょう?

 

①責任を持って保育の仕事に就くことが出来ること

先ほど述べたように、保育士は大きな責任がある仕事です。

保育士は子どもの基本的生活習慣の指導を行ったり、コミュニケーションの取り方や、体調の変化に注意するなど成長の一旦を担うことになります。

また、日中の保育を任されるということは、子ども達の命を預かるということになります。

強い責任感を持ち、危険がないかを常に意識したり、誤ったことをした時には叱り正しいことを伝えることもしなければなりません。

責任をもって保育の仕事に就けるという想いは、保育士になるために必要な資質と言えるでしょう。

 

②愛情を持って接することが出来ること

保育士になるための資質として最も大切なものは、子どもが大好きだということです。

毎日多くの子どもと一緒に過ごす保育士の仕事は、子どもに対して愛情深く子どもが好きでなければ務まりません。

子どもの笑顔が好きで、成長を見守り支えていくために、保育士という仕事を誇りに思える方でないと難しい職種でしょう。

また、包容力や忍耐力も必要になります。

子どもは大人のように前もって時間を考えて行動をしたり、着替え等をスムーズに行うことが難しくなります。

ついつい手助けをしてしまったり、援助してしまいたくなりますが、自分で出来たという達成感を経験するために、時には子どもが出来るまで待つことも重要です。

子どもが大好きであることに加えて、忍耐力や包容力を持ち、どのような子どもであっても愛情を持って接することが出来ることが大切です。

 

③臨機応変に対応できる能力があること

子どもはこちらの想いや予想をはるかに超える行動をしてしまうことがあります。

急に道路に飛び出してしまったり、注意が別のことに移ってしまったり、自分の世界の中に入りどんどん突き進んでしまうこともあり、そうなると保育士の臨機応変に対応できるスキルが重要になります。

もちろん、どのように行動すべきか等は保育士として働いてから身につくものです。

しかし、どんな時も子ども達のために迅速に行動できるという決意を胸に持っておくことが大切です。

 

④保護者や子ども達と信頼関係を築くことが出来ること

保育士は子どもだけを預かり保育を行うだけではなく、保護者とのコミュニケーションも大きな仕事の1つです。

保護者の悩みを聞いたり、保育園の子どもの様子を伝えていくことで、信頼関係を築き、子どもの成長を促すために連携を図ることが大切になります。

子どもと一緒に生活を行っていくためにはお互いの信頼関係を築くことが出来るスキルが必要になります。

 

⑤体力がある、体が丈夫である

子どもを単に預かるイメージが強い保育士ですが、実際には子どもと一緒に遊ぶだけでなく、行事の時に道具や準備を行ったり、長時間勤務の重労働な職種でもあります。

保育士は、まさに体力がないと務まらない職種でもあります。

体力があったり、体が丈夫であることは保育士の仕事を行うためには必要な資質になります。

このように、保育士になるために必要となる資質5点を紹介しましたが、実際に全ての資質が自分にあるのか…と不安になってしまいますよね。

保育士は体力や体が丈夫であることも大切ですが、やはり子ども達と信頼関係を築くことが出来ることが大切です。

 

5、まとめ

現在は、保育士試験も年に2回実施されていますので、主婦や転職にも有利となっており、自分のライフスタイルに合わせて勉強をしていけば、一回で合格することも十分に可能です。

また、保育士の資格を持っていると多くの施設で就職することも可能ですので、パートや社会復帰をしたい方にはおすすめの職種です。

保育士は、子どもの大切な乳幼児期という時期を共に過ごし、その中で子どもが自発的に行動を行うようにサポートしていったり、出来ない事を一緒に克服していけるように工夫したりして、側で子ども達の成長を感じることが出来る素晴らしい職業です。

もちろん、仕事量が多かったり体力が必要ではありますが、日々子どもの笑顔や新しい発見をすることが出来るので、私たち自身も日常生活の中でやりがいを感じられたりと、心身共に成長することが出来る仕事と言えるでしょう。

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