今、訪問看護の中でも、『訪問リハビリテーション』が注目されています。
自宅でリハビリを行うことで、多くのメリットがあると共に自立した生活を送ることが出来るようになります。
では、『訪問リハビリテーション』とはどのようなことを指すのでしょうか?
1、今『訪問リハビリテーション』が注目されている
『訪問リハビリテーション』という言葉を聞いたことがありますか?
『訪問リハビリテーション』とは、自宅で専門的なトレーナーがその人にとって必要となる動作などを行うために行うトレーニングのことで、新しいリハビリテーションの在り方として注目されています。
病院ではリハビリの専門科が授けられていたり、専用の特別な器具がありますが、訪問リハビリテーションの場合にはそのような設備はありません。
しかし、何らかの病気や障害、寝たきりで介護が必要な人の場合だと自宅で専門的なトレーニングを行うことが出来るということは大きなメリットがあります。また、実際に看護師や医師、専門トレーナーが自宅を見ることでその人が実際に必要となる生活動作や身体状態を把握した上で、リハビリを行うことが出来るので、実現可能な動作を見据えることが出来効率よくトレーニングを行えます。
また、在宅医療や在宅介護を行っている場合であれば、家族がリハビリを行うことが多いですが、『訪問リハビリテーション』を利用することで、家族の負担を減らしていくと共に、具体的なリハビリ方法の指導や助言を行うことも出来ます。
利用者と介護者・支援者にとって大きな魅力があるのが『訪問リハビリテーション』です。
2、『訪問リハビリテーション』を受けられる人とは?
訪問リハビリテーションは基本的に、要介護認定を受けている人が対象となります。
しかし、介護保険を利用出来ない65歳以下の方であっても、医師からの指示書があれば医療保険を利用して訪問リハビリテーションを利用することが出来ます。
介護保険を利用しての訪問リハビリテーションの対象となる人は
・要介護認定で要介護1、もしくは要支援1以上の認定を受けている人
(要支援1~2の方は訪問リハビリテーションではなく介護予防訪問リハビリテーションになる)
・主治医から訪問リハビリテーションが必要と言われている人
になります。医療保険を利用しての訪問リハビリテーションの対象者は
・医師が訪問リハビリテーションが必要と判断した方
になり、決められた疾病などはありません。
どのような障害や病気であっても、主治医が訪問リハビリテーションが必要と認めた場合には医療保険を利用して訪問リハビリテーションを受けることが出来ます。
医療保険の場合には、主治医による指示書が必ず必要になりますが、特に認められやすい疾病としては
・脳卒中や脳腫瘍といった脳血管障害
・パーキンソン病 ・脊髄小脳変性症 ・ALS
・筋ジストロフィー ・骨折 ・リウマチ
・脳性麻痺 ・先天性疾患や染色体異常
・がんや加齢による体力低下や障害等
になります。もちろんこの疾病以外でも、主治医が必要と判断し指示書が発行されたら訪問リハビリテーションを受けることが出来ます。
訪問リハビリテーションは、高齢により要介護認定が下りなければ利用出来ないのではないかと思っている方が多いですが、実際には様々な理由をもって通所ではなく自宅でリハビリテーションを行う必要がある方のためにあるので、障害や病気、事故により自宅でしかリハビリを受けられない場合には年齢や病気、状態に関係なく訪問リハビリテーションを利用することが出来ます。
多くは主治医やケアマネジャーから訪問リハビリテーションを利用しないかという話がいくことが多いですが、自分が希望して訪問リハビリテーションを受けたい場合には主治医やケアマネジャーに相談してみると良いでしょう。
3、『訪問リハビリテーション』の魅力
訪問リハビリテーションは、本来病院やリハビリの専門科がなければ受けることが出来ず、多くの人は通所や入院によってリハビリを行っていましたが、ある一定以上になると行われなくなることが多くあります。しかし、実際には自宅に帰ったとしても思うように身体を動かすことが出来なかったり、不自由に感じてしまうことが多くあり、その不自由さから生活の質を下げてしまっていました。
特に高齢になっていくと、頼る人がおらずに1人の生活だとどんどん身体を動かすことが億劫になってしまい、通所や入院でリハビリを行っていても退院してから月日が経つと元の状態やそれより悪化してしまうことも見受けられました。このように、継続的にリハビリが必要であったり、病気や障害といった何らかの理由により通所や入院をしてリハビリを行うことが出来ない人のために、訪問リハビリテーションが授けられています。
また、訪問リハビリテーションは自宅に専門知識を持っているトレーナーが訪れて身体の状態を判断しトレーニングを行いますので、利用者とトレーナーの信頼関係を構築していくことが出来、コミュニケーションをとったり精神的なサポートも合わせて行っていくことが出来ます。
訪問リハビリテーションは、単にその人にとって必要となるトレーニングを自宅で行うだけでなく、利用者にとって心身共に大きな支えになっているのです。
4、まとめ
今注目されている訪問リハビリテーション。
訪問リハビリテーションは、自宅で自分の生活を行う上で必要となるリハビリを行うことが出来ますので、生活の質を向上させたり、自立した生活を行おうとする意思を育むことに繋がります。
通所や入院でしか行うことが出来なかったリハビリですが、訪問リハビリテーションの設置によって利用者にとって様々な選択をすることが出来るようになり、自分にとって最適なトレーニングを行えるようになります。
高齢者のみではなく、病気や障害によりリハビリが必要であればどの年齢でも訪問リハビリテーションを受けることが出来ますので、利用してみたいと感じた場合には一度主治医やケアマネジャーに相談してみることから始めましょう。