内部監査課を担当する木村さんは、未経験・中途採用からの挑戦。Dotlineで経験した、行政と連動した仕事や新規部署の立ち上げは、それまでとはまったく異なる経験でした。始めは手探り、なのに成長スピードは高速。それでも仕事に馴染んでいけたのは、サポート体制が充実していたからだと木村さんは語ります。
これまでの経験がほとんど活かせない分野で、なぜ働こうと思ったのか。未経験にもかかわらず、難題をどう乗り越えていったのか。畑違いの業種に挑戦するプレッシャーと醍醐味についてお聞かせいただきました。
学びたい意欲が昂じて大学へ二回入学、国際政治や教育を学んでコンベンションの道へ。
- これまでのキャリアについてお聞かせください
私は学生の頃にやりたい職業が見つからず、学び続けたい気持ちが強くてもう一つ大学に通いました。初めの大学では、環境や国際政治について学び、二度目の大学では、初等教育について学びました。初めての就職は、二度目の大学生活の中で取り組んでいたコンベンションのアルバイトからでした。コンベンションとは、国際会議や学会の運営を手掛ける仕事で、ゲストのアテンドや進行プログラムの管理、新たな施設の立ち上げに取り組みました。
- どのような経緯で転職したのでしょうか?
そもそもコンベンション業界で就職した理由は、アルバイトとして働いていたところ、ぜひ来てほしいと声をかけられたからでした。短期のアルバイトで始め、面白さを感じるとともに、必要としてもらった感覚に応えたい気持ちからでした。
それから結婚して、コンベンション業界に勤めて五年が経った頃、夫から垣本社長を紹介されました。「今、急成長をしていて、人手も足りないからぜひ」とのことで、一度お話を聞かせてもらいました。
初めてお話した時の印象は、アグレッシブでスピードが速い。おもしろそうだけど、順応できるか不安でした。また、その時はまだ具体的に転職について考えていなかったこともあり、時間をおいて考えることにしました。
それから一年くらい経って、仕事がひと段落してきました。業務の全体を把握して、できない仕事がなくなってきたんです。少しルーティンになっていて、部署異動やキャリアアップを考えるより、他の世界を見たくなりました。Dotlineなら業界は違うし、ベンチャー特有の勢いもあります。同じところに留まるより、新しい世界に触れられるかも。そう思って転職を決意しました。
新天地でも勉強の日々。頼れる環境と人間らしいやりとりがやりがいの源
− 転職して、実際にはどんな現実が待っていましたか?
社長との面談で、「いくつかやってほしいことがある」と頼まれた仕事の一つに、内部監査室の立ち上げがありました。
当時、事業所ごとに行政の手続きや監査業務を行っていました。しかしそれは必ずしも現場の仕事ではなく、介護職の人が手がけないといけない理由はありません。「現場の人は現場に注力してほしい」というのがDotlineの考えでした。そこで、バックオフィスとしての仕事は本社に任せられるようにと立ち上がったのが内部監査室でした。
私の最初の仕事は、障害者グループホームのオープンに向けた申請書類の作成でした。指定の申請書類を二十種類ほど準備し、役所に提出します。グループホームのオープンは四日後に控えていて、提出できなかったら遅れてしまいます。「最初からこんな大きな仕事を任せてもらえるんだ」というのが印象でした。
− どうやって乗り越えることができたのでしょう?
もちろんプレッシャーは大きくて、一人では無理でした。未経験で入社したのに何とかできたのは、「勉強と相談」がしやすい環境があったからだと思います。
まず、採用から入社までの一ヶ月で、業務に関する法律や手引きの予習ができました。会社から法律関連の本をたくさん貸していただきました。法律関連の本は辞書みたいに分厚くて苦労もありましたが、おかげで仕事の大枠をつかむことができました。
実際に仕事が始まると、本に書かれていることとは違う手続きも出てきます。そういうところは先輩社員や社長に直接相談させていただきました。その頃の本社は三人しか人員がいなくて、全員かなり忙しかったと思います。それでも嫌な顔をせず相談に乗ってもらえたので、私も期待に応えようとがんばることができました。
Dotlineには、「ベーシック8」という行動指針があって、その中に「1. 組織(チーム)で成果を出す」「3. 信頼関係の構築を最優先する」という項目があります。実際の仕事の場面でそれが体現されているからこそ、未経験の私でも大きな仕事に挑戦できたのかなと思います。
− 他に未経験・中途採用からの挑戦で印象的だった仕事は?
対外的な仕事、特に役所の人とのコミュニケーションですね。
社内には共通の理念や指針がありますが、社外は必ずしも同じではありません。特に役所は厳格なイメージがあって、失敗や失礼に対して厳しかったり、やりとりが気難しかったりするのかなと思っていました。
初めて役所に伺う時は少し緊張していたのですが、社長からは「行政も人だから、関係づくりが大事だよ」と言われていました。なので完璧に演じようとするのではなく、正直に自分を見せようと思いました。
最初に「初めてなので不手際もあると思いますが、よろしくお願いします」と明るくあいさつできたので、その後の関係もすごく楽になりました。役所の人も優しくて、窓口に伺うたびに丁寧に対応していただきました。それまでにDotlineが積み重ねてきた、行政との信頼関係も大きかったと思います。
福祉の業界で働く人にとっては初歩的なことも、未経験の私には知らないことだらけです。その一つ一つを人間らしいやりとりの中で学ばせていただけたからこそ、不安やプレッシャーを乗り越えて挑戦できたと思います。Dotlineが未経験でも挑戦しやすいのは、それを支える社風や環境が整っているからかもしれません。
遠い先の未来まで、組織の成長の裏に個人の成長の余地あり
− 未経験から始めて二年半、改めて今の仕事の魅力は?
社長のビジョンが先々まであって、どんどん変化していくところです。現場の状況を見ながら新しい仕組みやルールを作っていくのは、大変ですがやりがいがあります。挑戦できる機会がたくさんあり、失敗しても咎められることはありません。「過去二割、未来八割」が会社の指針なので、原因を突き詰めて次へ進んでいける雰囲気があります。
会社は今も急成長していて、まだ仕組みが整っていないところもたくさんあります。裏を返せば改善の余地があるということで、それが挑戦しやすい流れを生んでいると思います。この二年半で形にしてきたこともたくさんあるので、効率化してさらに良い仕組みやルールを作っていきたいですね。
− 今後に向けた展望は?
二年半で内部監査課も人数が増え、業務も部下に任せられるようになってきました。その分私は、同じように未経験で入社してくる人に寄り添う働き方ができればと考えています。私もまわりに教えてもらいながら不安や困難を乗り越えてきたので、次は私が示していきたいです。
学ぶこと、挑戦や成長を求めることは、ずっと続いていくと思います。世の中はどんどん変化していくので、法律や制度に合わせて業務内容も進化させていく必要があります。これからも不安や困難に直面することはあると思いますが、Dotlineならまわりの人と協力しながら乗り越えていけると思います。私も協力できる一人でありたいです。