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自閉症スペクトラムは最初の情報交流のズレ

自閉症スペクトラムの子どもの特徴としてコミュニケーションが上手くとれない、言葉が遅いということがあります。言葉はコミュニケーションの先にありますので、まずはコミュニケーションをとれるようになることが大切です。

しかし、私たちと自閉症スペクトラムの子どもにはキャッチする情報にズレがあることが多くなります。では情報のズレとはどのような事を指すのでしょうか?今回は自閉症スペクトラムの子どもだけでなく、子どもとコミュニケーションをとるために大切な情報のキャッチについて解説します。

 

1.自閉症スペクトラムの子どもは『わからない』

言葉を覚えていく過程で、言葉よりも先に親子同士や周りの大人との情報の交流を行っていることで、言葉がスムーズに吸収されていき、言葉でのコミュニケーションをとることが出来るようになります。赤ちゃんの時にたくさんの気持ちを通わせる体験や、自分がしたことで相手が喜ぶといった体験をたくさん共有していき積み重ていくことでコミュニケーションに発展していきます。

しかし、この情報の交流が行えていないと次第にコミュニケーションがズレが生じてきます。コミュニケーションのズレが起きると笑顔の交流が遅れていき、まなざしの情報交流の遅れなど遅れが目立っていきます。そうなると、平均よりも発達にズレが出てしまい障害なのではないかという疑問が起きていきます。今は発達をどうしても平均内に収まっていない場合に『障害』と言われますが、実際には発達には個人差がありますので、単純に遅れているから『障害』ということにはなりません。しかし、あまりにもコミュニケーションが取れない場合には何等かの障害があるかもしれない、と感じることは大切です。

発達障害の中でも自閉症スペクトラムは『通じない』ということが、大きなズレとなります。以前は自閉症スペクトラムの子どもは、好き嫌いが激しくこだわりが強いということが大きく取り上げられていましたが、実際には好き嫌いが激しいというのではなく『わからない』ということがポイントになります。

私たちは多くの情報が脳内で処理され理解することが出来ます。特に自分が自らキャッチした情報は、説明も順序立てて行うことが出来ますし、自ら理解しようとします。しかし、何の情報もキャッチしていない場合には突然自分に興味がない説明をされても、理解出来ませんよね。例えば、自分が好きでもない漫画のキャラクターの能力を全て事細かく説明されても、さっぱり理解出来ず聞き流してしまったり、逆にぼんやりと聞いてしまいます。これは、自分にとってキャッチしたくない、必要のない情報であるためにキャッチせず捨ててしまっている情報になります。捨ててしまった情報については、理解することが出来ません。

自閉症スペクトラムの子どもの場合、この情報のキャッチが出来ずわからないことが生じています。情報のズレが生じているために、『わからない』のであって、好き嫌いが激しいのではありません。

 

2、情報のずれに気が付くことが理解の第一歩

先ほど述べたように、情報のキャッチの仕方にはそれぞれズレがあります。ですので、自分がキャッチした情報を元にして考えてしまうと、自閉症スペクトラムの子どもがキャッチした情報と自分が感じた情報に大きなズレを感じてしまい、『どうしてこうなるの』『こうしてよ』と指示したくなってしまいます。しかし、自閉症スペクトラムの子どもはその子自信がキャッチした情報によって組み立てていきますので、私たちとキャッチした情報にはズレがありますので、その情報のズレをまずは理解することが大切です。自閉症スペクトラムの子どもがキャッチした情報と私たちがキャッチした情報のズレを理解出来ないと、自閉症スペクトラムの子どもにわからないことを強要していることになり、パニックになったり混乱を起こしてしまいます。このパニックは、自閉症スペクトラムの子どもが良く起こすことでクールダウンをしなければなりませんが、この原因は無理にわからないことを強要していることです。

私たちが親切と思って助言していたことも、情報のズレがあるので自閉症スペクトラムの子どもにとっては、わけのわからないことを無理にさせられているというイメージしかありません。そのため、パニックになってしまい周りの大人も自閉症スペクトラムの子ども自身も疲労してしまいます。

そうならないために、まずはその子どもがどんな情報をキャッチしたのかを、じっくりと観察しましょう。そして、キャッチしたであろう情報に沿ったアドバイスを行い、そのアドバイスを子どもが受け入れたら、お互いの情報の交流が出来ており、同じ情報をキャッチ出来たということになります。もしも、私たちがアドバイスしたことを子どもが受け入れなければ、お互いのキャッチした情報が異なっていたことになります。アドバイスが受け入れられなければ、また観察し同じ情報をキャッチできるように探しましょう。その繰り返しをすることで、自閉症スペクトラムの子どもについて理解することが出来るようになります。

 

3、どんな情報を得ているかを考えて行動することが大切

情報のズレがあるために、お互いの意思疎通が中々図ることが出来ない自閉症スペクトラムの子どもですが、どんな情報をキャッチしたかを観察することで、理解する第一歩に繋がっていきます。赤ちゃんの時であれば、表情のキャッチを行いまなざしに興味を持ち、その先の眺めているものを一緒に眺めるようになりコミュニケーションに発展します。しかし、その情報をキャッチ出来ない場合には、情報を一致させることが出来ないので、コミュニケーションを取ることが出来ません。コミュニケーションがとれないと感じた場合には、まずは赤ちゃんや子どもがどこを眺めているのか、視線の先にある情報をキャッチすることからスタートしましょう。まなざしの先にある情報をキャッチすることが出来たら、情報の一致が出来、ゆっくりとコミュニケーションをとることが出来るようになります。

しかし、まなざしはとても曖昧で、何を眺めているのか、どんな情報を子どもたちがキャッチしているのかわからない場合があります。そんなときには、まなざしではなく行動に注目してみましょう。

赤ちゃんでハイハイが出来るようになったら、たくさんの興味を示すようになります。まずは、赤ちゃんや子どもがどんな事に興味をもって行動しているかを考え推理してみましょう。赤ちゃんの行動を観察していると、赤ちゃんがハイハイで行動した先には必ず対象物があり、これが情報になります。この情報にしっかりと働きかけてあげると、赤ちゃんと自然と通じることが出来るようになっていきます。赤ちゃんの情報の名前などを告げてあげると、その情報に働きかけたことになり、赤ちゃんも名前という情報を自然とキャッチするようになります。これが言葉の発達に繋がっていきます。

自閉症スペクトラムの子どもの場合、まず最初の表情の交流や情報のキャッチが上手くいかないために、言葉の発達が遅くなりがちです。発達はズレがありますので、当然自閉症スペクトラムの子どもであっても言葉が遅い場合やそれほど気にならなかったのに、自閉症スペクトラムと診断される場合があります。しかし、自閉症スペクトラムの子どもであっても、子どもたちがキャッチする情報と同じ情報をキャッチすることが出来、共有することで発達を促すことは十分に考えられます。まずは小さい時から目を合わせる体験を行い、通じ合えた体験を増やしていきましょう。コミュニケーションが取れていないのではと感じた場合には、通じる機会を増やしていくことが大切です。

 

4、まとめ

赤ちゃんの時から人の表情に興味を持ち、まなざしの先を見るようになり通じる体験を多くしていることで、言葉への発達へ繋がっていきますが、自閉症スペクトラムの子どもの場合にはその受け取る情報が私たちとずれていることがありますので、まずは彼らがどのような情報をキャッチしているのかを知ることが大切です。どんな情報をキャッチしているかを推理し、アドバイスとして情報を告げると推理した情報が同じであれば自然と受け入れてくれます。

しかし、私たちが情報のズレに気が付くことが出来ないと、自閉症スペクトラムの子どもは理解出来ないアドバイスを強要されたことになり混乱しパニックをおこしてしまいます。しっかりとまなざしの先や行動から子どもや赤ちゃんがキャッチしている情報を読み取り、

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