【市川市】家康も参拝した市川の総社、葛飾八幡宮の魅力を地元民が紹介【神社仏閣】

千葉県市川市にある「葛飾八幡宮(かつしかはちまんぐう)」は、市川市・八幡地区の名前の由来にもなった、とても歴史の長い神社です。

この記事では、そんな葛飾八幡宮の歴史や観光のポイントを、地元在住ライターがわかりやすくレポートしていきます。

神社周辺の施設などにも触れながら解説しますので、千葉県の神社に興味のある方はぜひ最後までご覧ください。

市川の「はちまんさま」、葛飾八幡宮の歴史

▲筆者提供/参道の大鳥居

葛飾八幡宮は寛平年間(889~898年)に第59代天皇・宇多天皇の勅命によって創建されました。

京都府にある石清水八幡宮を勧請して建立されたといわれ、下総国(現在の千葉県北部)を守護する総鎮守として、地元の人々からは「八幡神社(やわたじんじゃ)」「八幡(はちまん)さま」の愛称で深く崇められています。

▲筆者提供/筆者が訪れた11月初旬は七五三の参拝客で賑わっていました。

過去には源頼朝による社殿改築、平将門の奉幣、徳川家康の御朱印地社領52石の寄進など、有名な戦国大名も熱心に信奉していた記録も残る、由緒ある神社です。

33年おきに開催される「三十三周年式年大祭」や、季節の行事、例祭・農具市(ボロイチ)、隔週で週末に開催される「ニュー・ボロイチ」には、毎回多くの観光客が足を運んでいます。

そもそも八幡宮とは?由緒・祭神を簡単に解説

▲筆者提供/源頼朝が馬を止めたとされる「駒どめの石」

八幡宮とは、武運の神として信仰される第15代天皇・応神天皇「別称 誉田別命(ほんだわけのみこと)」を八幡神として崇敬する神社を指し、全国に約44,000社、大分県宇佐市の宇佐神社を総本社としています。

葛飾八幡宮では誉田別命と初代天皇の母である玉依姫命(たまよりひめのみこと)、誉田別命の母・神功皇后(じんぐうこうごう)「別称 息長帯姫命(おきながたらしひめのみこと)」の三神を祭神とし、それぞれの司る厄除け開運・武運・勉学・安産・育児にご利益があるとされています。

全国の総本社を1日で参拝可能!?葛飾八幡宮境内社の紹介

▲筆者提供/神輿庫に格納されている葛飾八幡宮のお神輿

葛飾八幡宮はなんと、日本各地にある有名な神社5つを一度に参拝できる、とてもご利益のある神社です。

ここでは簡単に、境内社(けいだいしゃ)の外観とその神社の概要をご紹介します。

厳島社

▲筆者提供/朱塗りの鳥居と神橋が神々しい神社です。

まずご紹介するのは、広島県の厳島神社を総社にもつ神社です。

地元在住の筆者は幼い頃から参拝していますが、朱塗りの神橋を渡る度に気持ちがシャキっとするのを感じます。

社の周囲は広島の海を模しているような深い池で囲まれており、錦鯉や亀がゆったりと泳ぐ様子を鑑賞できます。ご利益は交通安全・海上守護・必勝・芸能上達です。

葛飾天満宮

▲筆者提供

学業成就と書道上達の神・菅原道真を祀る神社の一つです。

市川市の主要駅「本八幡駅」から一番近い天満宮のため、受験期には多くの参拝客が訪れます。

尾上(おのえ)稲荷社

▲筆者提供

京都の伏見稲荷大社の祭神・宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)を祀る神社です。

全国にある稲荷社と同じく、一対の狐像が五穀豊穣を願う参拝客を迎えます。

八坂神

▲筆者提供

京都府祇園の八坂神社・通称「祇園さん」を祀る分社です。

厄払いの神である須佐之男命(すさのおのみこと)は有名な神話の神様ですよね。

浅間社(富士塚)

▲筆者提供/富士山を模した神社。麓にあるのは道祖神です。

富士山を神として信仰する神社・浅間神社の一つです。

富士山と同一視される豊穣伸・木花之佐久夜毘売命(コノハナノサクヤビメノミコト)を祀るこの神社には、富士山を模した小さな山の上に祠が建立されています。

樹齢1,200年!国指定天然記念物のご神木「千本公孫樹」

▲筆者提供/国指定天然記念物「千本公孫樹」

葛飾八幡宮には「千本公孫樹(せんぼんイチョウ)」と呼ばれる大きなご神木が祀られています。

この公孫樹は樹齢1,200年を超えるとされ、長い年月をかけて成長した幹が1,000本に枝分かれしているように見えることでその名がつけられました。

▲筆者提供

千本公孫樹は根本より上部の幹が太いことが特徴で、実際に目にすると大自然の力強さをひしひしと感じることが可能です。

また、この木は銀杏の実を付けない雄株のため、銀杏の香りが苦手な方も間近で観察できます。

▲筆者提供/過去に開催された千本公孫樹ライトアップの様子

なお、毎年10月末には千本公孫樹のライトアップイベントが地元の氏子会により開催されます。

冬が近付く寒空の下、緑や黄色の葉がライトを浴びて夜風に揺れる様子は、地元人もうっとりするほどの美しさ。

機会があれば是非ともライトアップイベントへ足を運んでみてはいかがでしょうか。

(2022年は10月26日/27日 17時から開催)

地元で語り継がれる神隠し伝説「八幡の藪知らず」

▲筆者提供

市川市には平安時代から語り継がれる伝説・伝承がいくつもあり、その中には「一度入れば二度と出られない」と人々に恐れられた藪があります。

神隠しの地として江戸以前から禁足地とされ、平成初期までうっそうとした暗い森が広がり、異様な空気を放っていた藪がこの「八幡の藪知らず」「不知森(しらずのもり)」です。

現在は面積の縮小や柵の設置、周囲一帯を祀る「不知森神社」が建立されており、住宅地や市川市役所の近くにあるため日中は人通りも多い場所ですが、「夜は遠回りしてでも近くを通らない方が良い」と地元住民に今も崇められ続けている場所です。

筆者も子どもの頃に同様のことを言われて育ち、近くを立ち寄った際には必ず畏敬の念を込めて参拝を行っています。

不知森神社は葛飾八幡宮の境外社として管理され、参拝記念の御朱印もあるので、葛飾八幡宮の参拝の際には八幡様の御朱印とあわせての拝受がおすすめです。

不知森神社の施設情報

所在地:〒272-0021 千葉県市川市八幡2-8(Googleマップで見る
アクセス:葛飾八幡宮より徒歩約5分、JR総武線「本八幡駅」より徒歩6分
備考:駐車場・駐輪場が無いため徒歩での訪問推奨。もしくは、近隣にある市川市役所駐車場・駐輪場の利用をおすすめします。

下総国を守る総鎮守!歴史溢れる葛飾八幡宮へ行ってみよう

▲筆者提供/市川市指定文化財「随神門」

市川市民を見守る氏神様・葛飾八幡宮の紹介レポートはいかがでしたか?

この記事を読んで、少しでも市川の八幡さまへ興味が出ていただければ幸いです。

歴史と魅力の詰まった葛飾八幡宮へ、貴方もぜひ訪れてみてはいかがでしょう。

葛飾八幡宮の施設情報

所在地:〒272-0021 千葉県市川市八幡4-2-1(Googleマップで見る
境内拝観時間:9:00~16:00
電話:047-332-4488
アクセス:JR総武線「本八幡駅」より徒歩約8分、京成電鉄「京成八幡駅」より徒歩約4分
公式サイト:下総国総鎮守 葛飾八幡宮
備考:参拝者用駐車場・駐輪場あり。

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